ピアノの置き場所とお部屋に無い方がいいもの、しない方がいい事とその対策

こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
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ピアノが家に来るとなった時に最初に考えることは「どこに置く?」だと思います。

実際に調律に伺ってもピアノが置いてある場所は様々、でも一度置いてしまうと簡単には動かせないのがピアノという楽器です。

そこで本記事では、僕が調律師として実際に見てきた経験から、ピアノを置くそれぞれのお部屋のメリット・デメリットについてまとめました。

後半にはピアノを持つ上で近くに無い方がいいもの、しない方がいい事とその対策について1つずつまとめています。
(目次から飛べます)

お客様から伺った話も参考にしながら書いています。とっても長い記事ですが、一度目を通しておくと役に立つかもしれません。

ピアノの置き場所別メリット・デメリット

リビング

メリット

温度湿度が割と安定している。

今までたくさんのご家庭のピアノの調律に伺ってきて、リビングに置いてあるピアノって以外にも状態が悪くない事が多かったです。やはり人が生活している環境はエアコンが入っていたりと温度湿度の上下が少ないからだと思います。

小さい子供はリビングに置いてある方が練習する。

小学4年生くらいまではリビングに置いてある方がよく練習するという話をよく聞きます。学校の宿題もそうだったりしますよね。逆に高学年、中学生となってくると1人部屋に置いてある方が練習するらしく、「わたしが買い物に出かけると必ずピアノの音が聞こえてくるんです。」と言う声もよく耳にします。

練習を親御さんが見れる

これは特に小さいお子様がピアノを弾くご家庭です。どんな風に練習しているのかも見れますし、始めたばかりのお子様は練習に付き合う必要もあると思います。リビングに置いてあるといつでも気分が向いた時にすぐ弾けるというのも良い点でしょうか。

デメリット

小学校高学年、中学生になるとあまり弾かなくなる。

先ほども書いた通り、思春期に入るにつれて練習を親御さんに聴かれるのが嫌な時がきます。こうなると1人で練習できる環境の方が良いみたいです。

上手になると音がうるさい

上達してくると、曲も長くなり音も大きくなってきます。練習では同じところを何度も弾き直すこともしょっちゅう。こうなってくると見たいテレビも見れません。

キッチンの近く

キッチンの近くは湿気が高いという問題もありますが、料理の油が少しずつピアノに付着していきます。毎日の事で、塵も積もればといった風に1年に1回の調律に伺うとベタベタになっている事もありました。キッチンの近くに置かれる時には油対策に薄い素材のピアノカバーをかけるのをオススメします。厚手のものだと湿気が中にこもってしまうので個人的にはいつも薄手の素材を薦めています。

和室

メリット

木目調のピアノだと、意外にも見た目が良い。

これは結構意外なんですが、木目調のピアノと和室の見た目の相性は抜群です。あくまでも個人的な感想ですが、お客様も案外しっくりきますとよく言われます。

デメリット

音は良くない。

和室はとにかく音を吸収します。音が跳ね返ってこないという事です。フローリングの環境と比べると響きはかなりおとなしくなります。

畳の保護が必要。

畳がどんどんへこんでいくので、和室用の敷板やパネルを敷く必要があります。

和室については別記事にもまとめています。

関連記事:和室にピアノを置いても大丈夫ですか?

1人部屋

メリット

集中して練習できる。

リビングのところでも書いたように、小学校高学年以上になると1人で練習したくなる子が増えるそうです。普通ピアノって動かさないものですが、リビングから移動したら途端に練習量が増えたなんて声も実は少なくありません。

デメリット

ピアノには過酷な事が多い(温度湿度の変化大)

リビングと比べると、こういった普段誰もいないお部屋の環境はピアノにとっては良くない事が多いです。冬場を例に説明します。

普段誰もいないのでお部屋の中は当然かなり冷え込みます。そしてピアノを弾こうとなった時に、暖房を付けて一気に室温が上がっていきます。こうなるとピアノの内部、特に弦などの金属部分がキンキンに冷えているところで、ピアノの外側の空気が暖まることでほんの少しですが結露が発生します。これによって湿気がどんと上がって、これが今度は暖房が効いていく内に過乾燥になっていくわけです。

短い時間での温度湿度の急激な変化はピアノにとってはかなりよくありません。

こういった環境でオススメしているのは、暖房なら2段階に分けて温度を上げていく方法です。暖房の設定が24度なのであれば、最初18度(おそらく暖房の一番低い設定)で1時間ほどゆっくり温度を上げたのちに、24度に設定するという方法です。時間は掛かりますがこのひと手間でピアノの状態ははるかに安定します。

冬場の環境についてはこちらにまとめています。

【効果絶大の裏ワザ】今すぐ自分でできる冬のピアノ調律の狂いを抑える方法

2階の部屋(戸建て)

メリット

湿度が1階ほど高くない。

これはマンションに調律に伺った時によく思っていたのですが、やはり地面に近い方が湿度は高いです。ですので戸建ての場合でも2階の方がピアノにとっては湿気という面で見れば環境は良いという事になります。

デメリット

地震の時と床の心配です。正直なところ僕が調律に伺っていた方で問題が起きたピアノはありませんが、特に地震対策についてはピアノを買われるお店の方に相談されるのを強くオススメします。

ピアノのお部屋に無い方がいいもの

クレベリン

これはもうぶっちぎりの1位です。

クレベリンには金属を腐食させる成分が含まれていて(※製品の裏面にしっかり記載されています)、ピアノの上なんかに置いた日には弦やネジなどの金属類が水でもこぼしたのかというくらい真っ赤に錆びます。

錆を落とそうとすると、弦に傷が入って音に影響が出るので最悪弦交換という高額修理が待っています。

ピアノの事だけを考えるのであれば、同じ部屋・空間にも置かない事をオススメします。

次亜塩素酸系の空間除菌

こちらはTwitterのコメントで教えて頂きました。(ありがとうございます!)

加湿器でこういったウイルス除去の成分を出すタイプのものがあるみたいなのですが、調べてみると金属を腐食させる成分が含まれているらしく、こちらも同じ部屋には置かない方がいいかもしれません。

香りの出る観葉植物や加湿器のアロマ

観葉植物自体は、乾燥を防いでくれるのでピアノにとってはとても良いものです。

ただ例外があり、それが香りの出るものです。例えばハーブなどの観葉植物が近くに置いてあるピアノの弦はものすごく錆びていることが多いです。

また加湿器の香りが含まれているアロマのようなものが置いてあるお部屋のピアノも弦がよく錆びています。何かの成分が影響しているんだとは思うのですが、こういったものには注意が必要です。

床暖房(対策あり!)

床暖房の上に何の対策もせずに置くと、熱と過乾燥であっという間に調律が狂います。強力な床暖房だと1回夕方から使っただけで調律前くらいになる事もあります。

床暖房対策のパネルというものがあるので、これを設置することによりこれらの影響を防ぐことができます。このパネルは防音にもなるため、防音対策のページでも紹介しています。

防音対策関連記事:ピアノの防音対策とグッズ~マンション・アップライトピアノ~

ピアノの防音対策とグッズ~マンション・グランドピアノ~

直射日光(対策あり!)

ピアノは直射日光を日常的に浴びているとあっという間に調律も狂い、木材も乾燥で割れてしまいます。

よくピアノカバーをして日光が当たらないようにすればいいんですか?と聞かれるのですが、やはりピアノ本体が温まってしまうのであまり意味はありません。直射日光が当たる窓際などに置く場合には遮光カーテンでピアノの部分だけガードしておくなどの対策が必要です。

エアコンからの直接の風(対策あり!)

特に暖房の影響は強く、過乾燥であっという間に調律が狂います。

エアコンの下が良くないイメージを皆さんお持ちですが、エアコンの向かい側にあるピアノの方が影響を受けます。この場合エアコンの風向きを変えれば大丈夫です。

Moecat Life エアコン風よけカバー

エアコンの下は風さえ当たらないのであれば問題ありません。ですが、アップライトピアノの場合座る本人に風が直撃するのであまりオススメではありません。あと一度だけですがエアコンからの水漏れで高額修理が必要になった事もありました。

ピアノのお部屋でしない方がいいこと

飲み物・食べ物をピアノの上に置く

これは皆さんの想像通りです。蓋をしたペットボトルなども同様です。

これが癖になると、自宅以外のピアノでも同じことをやってしまいます。万が一何かが起きてしまった時にはそのピアノを弁償なんて事にもなりかねないので、普段から注意が必要です。実際にワイングラスが倒れてスタインウェイが1台ダメになったなんて話も聞いたことがあります。

食べ物も同じで、チョコレートなんかを譜面台のところに置いておくと、ホールや練習室のグランドピアノの中に落としてしまうことがあります。これも拾ってもらうのにはお金が掛かりますし、溶けて何かあった時には大事になってしまいます。

当たり前の事ですが、もしお子さまが飲み物を持って近くを通った時には注意してあげるといいかもしれません。

鍵盤をアルコールで拭く

コロナ対策としてアルコールで鍵盤を拭かれたピアノの白鍵にことごとく亀裂が入ったりしています。

鍵盤はアルコールにとても弱いので、絶対にこういった除菌シートで拭いてはいけません。また手の消毒をした際にも完全に乾かしてから弾くようにしないと同じことが起きてしまいます。

ピアノを弾く前には石鹸で手を洗うのが1番のウイルス対策です。

部屋干し(対策あり!)

そんなに湿気が高そうな環境には見えないのに、ピアノの蓋を開けたら中身がカビだらけだった場合、高確率で日常的な部屋干しが原因です。

たまにやる程度であればそこまで影響はないはずですが、ピアノの近くでしょっちゅう部屋干しをしていると、少なからずピアノには悪影響があります。

対策としてはシンプルにピアノからなるべく距離を空ける、また可能であれば別の部屋でして頂くことです。

冬場の乾燥には部屋干しが良いだろうと思いきや、中身にカビが生えるくらいになる事もあるので、部屋干しをされている方は調律師さんにチェックして頂くのをオススメします。

自分で動かす

ピアノを動かすには専門的な知識と技術が必要です。

ピアノの中にも重い部分と軽い部分があるため、こういった事を知らずに持ち上げようとすると身体を痛めてしまいます。

また持ってはいけない部分というのもあるので、動かすのはプロのピアノ専門運送業者さんにお任せするのが一番安全です。ちょっとした移動の時にも必ず普段来られている調律師さんに相談されるのを強くオススメします。

さいごに(基本的に対策が可能という事)

ピアノの置き場所と無いほうがいいもの、しない方がいい事について書いてきました。

場所についてはそれぞれデメリットもありますが、基本的には対策が可能という事がなんとなくおわかり頂けたと思います。

ピアノを長く快適に楽しむためにも置き場所に合わせた適切な対策をしていきましょう。わからない時には楽器店さんや調律師さんに直接聞いてみるのをオススメします。

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 としさん