調律師が本気で選ぶピアノ専用除湿機と湿度計(2021年1月更新)

これからくる湿度の高い季節、ピアノにとっては過酷な季節です。不具合が最も多く起こるのもこの梅雨から残暑までの約4か月。不具合の度に調律師さんに来てもらってお金を払うという事は避けたいですよね。

そしてとしさん、自己紹介にも書いてありますが空調家電大好きなんです。

日本で働いていた会社では、夏の時期にはショールームに除湿機が4台置かれて24時間稼働していました。使い方にもよると思うのですが、すぐ壊れるメーカーのものもありました。

本記事では、今までお客様宅でたくさん見てきた除湿機、そして前の会社の輸入ピアノが多く並ぶショールームでいつも稼働していた様々なメーカーの中からオススメの機種、そして今年としさんが買うならこれというものを紹介していきます。

もちろん使い方や置き場所などについても書いていきます。としさんテンション上がっております!

乾燥対策の加湿器についてはこちらにまとめています。

調律師が本気で選ぶピアノ専用加湿器と湿度計

調律師が本気で選ぶ除湿機

オススメの除湿機

【1番のオススメ】三菱 MJ-180シリーズ

もし親戚からオススメのピアノ専用除湿機について聞かれたら間違いなくこれを薦めます。
このモデルは5%刻みで50~70まで簡単にボタンで設定することが出来ます。

そしてこの除湿機の1番のポイント、それはこの湿度がただの湿度ではなく“相対湿度”であるという事です。

空気にどれくらいの水分が含まれているのかを正確に知るには、実は湿度と温度から計算する相対湿度というものを知る必要があります。この相対湿度は普通の湿度計では見れません。ですが、この除湿機は相対湿度をコントロールしてくれるというピアノにとっては最高の機能が付いています。実際にこれがあるお部屋のピアノはいつも快調でした。もちろんホースを利用した自動排水機能も付いています。ピアノはもちろん雨の日の部屋干しの時も大活躍間違いなしです。
また冬の結露による湿度にも「冬モード」で対応できます。

欠点をあえて言うとすれば大きさと価格です。大きさは他の除湿機に比べると一回り大きいです。コロコロが付いているとはいえ持ち運ぶのは大変です。広めのレッスン室やリビングに合っているかもしれません。ただ狭い環境に置いても自動モードになっていれば乾燥し過ぎるという事はないのでご安心ください。

価格は良い機能満載なだけあって4万円くらいとかなり高級な部類に入ります。ですが、毎年どれかしら除湿機が壊れる中で唯一ずっと使えたのはこのシリーズのものだったので結果的には同じくらいの金額になるかもしれません。

三菱(ミツビシ) MJ-P180SX(W) ホワイト

【最強です】DAIKIN 除加湿空気清浄機 うるるとさららMCZ70X

まず最初に言います。めちゃくちゃ高いです。13万円以上します。

ですがこれが置いてあったお客様宅のピアノは1年中いつもほぼ完璧でした。温度や湿度の変化がないとこうも良い音の状態を保てるのかと調律師の自分が関心するくらいいつも快調でした。

文字通り、除湿機・加湿器・空気清浄機が全て一緒になっています。この3つが備わっているのはおそらくこのシリーズだけのはず。さすが空調メーカーDAIKINさんです。専用のアプリを使えばDAIKINエアコンと連動してより快適なお部屋になるそうです。

金額関係なくとにかく良いのが欲しいという方は間違いなくこれがオススメです。

ダイキン うるるとさらら空気清浄機 MCZ70X-T

としさんが今年買うならこれ

今持っている除湿機が壊れて新しくネットで買うという事にして、6畳の部屋にピアノがあるパターンとリビングに置いてあるパターンに分けます。本気で選んでその理由も書きますね。

6畳の部屋パターン アイリスオーヤマ IJC-J56

アイリスオーヤマ IJC-J56

アイリスオーヤマ一択で理由はシンプルに値段です。やっぱり費用対効果って大切ですよね。先ほど紹介した三菱のMJ180シリーズかこのアイリスオーヤマかで悩んだのですが、金額が約1/3になるのでこの除湿機にしました。三菱と比べるとタンクが圧倒的に小さいので水を捨てないといけない回数は増えますが、それでもこの値段で新しい除湿機が買えるのであれば全く問題ありません。

アイリスオーヤマの除湿機は値段の割に性能はいいですし、6畳の部屋となるとそこまでフル稼働になる心配はありません。価格は13000円くらいです。

リビングパターン SHARP CV-J71

SHARP CV-J71W

今回も三菱と迷いました。結果的に優先したのはサイズです。除湿機と加湿器に関してはコンパクトって正義です。やっぱりリビングは普段から生活する環境なので、なるべく省スペースでいきたいと考えました。

このモデルはリビングにとっては実は小さいです。ですが、リビングってわりとエアコンが付いていたりすると湿度がそんなに高くならないのでこの大きさの除湿機でも大丈夫な事が多いです。場合によっては夜だけ付けていればOKになることも。そして小さいという事は持ち運びも楽、つまり雨の日の部屋干しなど主婦の見方になること間違いなしです。価格は2万円いかないくらい。

予算が3万円くらいまででサイズも一回り大きくても良いとお考えの方は、さらに高くはなりますがここで紹介した三菱が費用対効果は最強だと個人的に思います。ですがあくまでもピアノを考えたらという話です。部屋干しに特化した機能などがついている機種もあるのでご自身で自由に楽しく選びましょう!

理想の環境

数字で言うと20℃50%です。

結構寒いですがコンサートホールの楽器庫という大切な楽器たちが置いてある倉庫の中は常にこの環境に調整されています。
相対湿度という言葉があるのですが、難しい話はしません!50%を目指しましょう。
基本的な湿気対策の考え方については別記事にもまとめています。

※注意点が1つ。ピアノは乾燥にも弱いです。40%以下にはならないようにしましょう。

梅雨と夏のピアノのための湿気対策

湿度計

湿度計についての根本的な考えなのですが、数値を信じ過ぎないという事。同じものでも低い数値を指す個体、高い数値をさす個体があるのが現実です。そして本気の湿度計は10万円は軽く超えます。

普通の値段で最も正確に測れるのは「乾湿計」です。ひょっとしたら理科室で見たことがある人もいるかもしれません。温度計が2つ並んでいて、その片方に巻かれている布を濡らして15分くらい待ってから出ている数字を見て計算表で確かめるというタイプで、ほぼ間違いなく正確なのですが実用的ではありません。別の湿度計が正確なのかを確かめるにはちょうど良いですが、ただそのためだけに買うのはもったいないです。

佐藤計量器(SATO) 乾湿計 ガーデニング 木製 ベーシック 取り付けやすい(フック箱)

これは結構あるあるなのですが、湿度計を買って満足して見ない人がいます。針で示すタイプだとより見ないです。正直僕も昔そうでした。

こうならないためにも僕ならデジタルの時計付きの湿度計、または湿度も見れる時計のようなものをピアノの部屋用と別の部屋用に2つ(別のメーカー)買って、たまにそれを両方ともピアノの上に置いて確かめます。2つとも同じくらいの数字を示せば大体正確なはずです。また時間はいつでも見るので、その際に湿度も目に入ればいいなという考えです。

ではここから具体的なオススメシリーズを紹介していきますね。

エンペックスシリーズ

スーパーEXというタイプのものが人気があるようです。調律に伺うとよく見ます。ピアノ屋さんでも販売されていますしピアノ関連グッズのカタログにも載っている人気シリーズです。

エンペックス スーパーEX 温湿度計

としさんオススメ~タニタ~

僕が今買うなら間違いなくタニタの温湿度計(時計付き)です。タニタはかなり正確な気がします。

ピアノには余計な機能かもしれませんが、アプリ連動のものや24時間の推移が見れるタイプのものもありますし、不在の時の温度湿度がどうだったかがわかる機能が付いているものがあります。ペットがいるお家にも良いかもですね。個人的には数字でぱっとわかるデジタルが好きです。

デザインもキティちゃんやディズニーなどの可愛いものから、タニタらしいシンプルなものまで。時計が付いていると多少高くはなりますが、時計として買ったと考えれば全然ありです。

タニタ デジタル温湿度計(グラフ付き) TT-581

タニタ デジタル温湿度計(ハローキティ) TT-558-KTPK 7.5×7.5cm

除湿機

湿気対策のために最も有効な家電です。使い方や注意点について説明してからオススメ製品を紹介していきます。

使い方と注意点

除湿機は空気中の湿気をタンクに集める家電です。ビックリするくらい貯まるので水が満タンになって水道に流すのがクセになります。いつ使うかについては湿度計を見ながらの判断ですが、基本的には自動モードにしておくと楽です。夜でも湿度が高ければ勝手に動いて勝手に止まります。

※ピアノのために使う時の1番の注意点。
ピアノに風が当たらないようにしてください。乾いた風をピアノに当て続けると過乾燥になり壊れてしまいます。なるべくピアノから離れたところに置いてお部屋全体の湿度を管理してください。リビングや広い環境の場合には3mくらい離れたところがちょうどいいと思います。

オススメのタイプと機能

除湿機といっても色々なタイプや便利な機能が付いているものがあります。

ピアノのためを考えるとオススメはコンプレッサー式です。
デシカント(ゼオライト)式というものもありますが、熱を発するため部屋がかなり暑くなりますし、電気代も高いです。
コンプレッサー式は音が大きいという欠点がありますが、自動にすればずっと動いているわけではないですし静音モードもあります。デシカント式を試しに自宅用に買ったことがあるのですが、音量はいうほど変わらなかった印象があります。

両方を兼ね備えたハイブリットという高級モデルがあります。ですがこのタイプはシンプルに大きくて場所をとるので、やはりオススメはコンプレッサー式です。

絶対に必要な機能は湿度センサーと自動モード。あったらいいなという機能は細かい湿度設定機能と排水機能です。この排水機能は何日か家を留守にする時、あるいはタンクの水を毎回捨てたくないという方に便利な機能で、タンクではなくホースを繋いでどこかに水を逃がす方式です。逃がす先は必要ですが、水を捨てる必要がないのでとても楽に湿気対策をすることが出来ます。

ピアノ用乾燥剤とその効果について

乾燥剤については調律師さんによって意見がかなり分かれます。以前SNS上のあるグループでたくさんの調律師さんによる議論がありました。

ちなみに僕は入れるのには意味がある派です。
内容については別記事にまとめていますので、参考にして頂ければと思います。

ピアノ用乾燥剤について

さいごに

ピアノの状態だけを考えればもちろん湿度計と除湿機はあった方がいいです。ですが最も大切なことはピアノがあることで生活がより楽しくなることです。除湿機がないからといって必ずピアノが壊れてしまうという事ではないですし、お水を捨て忘れたからといって何かが起こるものでもありません。
たまに湿度計を買ったがためにいつもチェックして外出していても気になってしょうがないという方もいます。ピアノを大事に思ってくれる気持ちは調律師としては何より嬉しいことです。ですがそこまで神経質になる必要はありません。
ピアノと一緒に楽しい毎日を過ごしましょう!

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 としさん