大雪の時にピアノに起こること

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なにやら今日から雪の予報が出ているという事で、普段雪が降らない土地に大雪が降った時にピアノに起こることについて、調律師としての経験を基に書いていきます。

具体的には10年くらい前に2週連続で大雪が降って交通から何からパニックになった時があったと思うのですが、その当時ピアノに起きていた症状です。

↓雪が降ったらこれ超楽しいです。

雪ひよこ製造機

大雪が降ると・・・

普段雪が降らない土地に雪が降った時に起こる症状は、湿気が多い時に起こる不具合と同じです。具体的に言うと、「鍵盤が戻ってこない」や「音が止まらない」、そして調律の狂いです。

普通この時期って空気は乾燥していて喉も痛くなるくらいですよね。この過乾燥でピアノに使われている木材なども、いわゆる「喉がとても乾いた状態」みたいになったりしています。

この過乾燥から大雪がどかっと降ると、運動の後の「ごっくん」と同じように木が必要以上に湿気を吸って一時的に不具合が起こります。

↓ピアノ調律師が持ち歩く湿度計

SwitchBot

不具合が起きたら・・・

上に書いたような不具合が突然起きたら、まず普段来られている調律師さんに相談してみましょう。

もしご自身で何かをするとなれば、いきなり除湿とかではなくまず信頼できそうな湿度計をチェックするのをオススメします。それで60%くらいになっていたら除湿でOKです。

調律師が本気で選ぶピアノ専用加湿器と湿度計

これが意外と50%くらい(ピアノの適正湿度)の事があって、それでも鍵盤が戻らないなどの不具合が起きる時もあります。この時に考えられるのは過乾燥からの急激な湿度変化(例えば30%→50%)によるものなので、放っておいて気付いたら直る事も多いです。

↓アヒル以外にも形あります。。

雪玉(スター・ハート)製造機

これは10年くらい前の大雪の時にやはりこういった不具合の電話がたくさんあって、ただ雪があまりにも多過ぎて物理的に動けないという状況だったんです。「行けるまでお待ちください」という対応をせざるを得なかったのを覚えていますが、ここから動けるようになった頃にはこの不具合の内の9割は何もせず勝手に直ったんですね。

残りの1割のピアノはその不具合が持続してしまったわけですが、こういった急激な変化による不具合の時には、「すぐに直す→環境が良くなる→直したところが逆におかしくなる」というパターンも考えられるので、こういった事も含めて普段の調律師さんに相談してみてください。

余談ですがピアノ用の乾燥剤が入っているアップライトピアノはこういった不具合が起きなかったのを覚えています。急激に湿気が出た時に多少吸ってくれたのかなと思います。乾燥剤についての私見は別の記事にまとめています。

ピアノ用乾燥剤について

読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦