ピアノ用乾燥剤について

ピアノをお持ちの方はご存じの方も多いと思います。ピアノの中に入れるタイプの湿気取り剤で調律の時に交換します。この乾燥剤は2つで約3000円と決して安くはありません。

SNS上でも話題になり、効く派、効かない派で確か75件くらいのコメントが色々な調律師さんから書かれました。中には少し過激な言葉もありました。

ちなみに僕は効く・入れる派(そのSNSではかなりの少数派で多分3人くらい)ですがそもそもの考え方が他の調律師さんとは若干違うようでした。

本記事ではこのピアノ用乾燥剤について、そのSNS上で書かれた内容も一緒にまとめてみました。内容としては効かない派の意見、効く派の意見、僕が実際に投稿した文になります。

乾燥剤効かない・入れない派の意見

入れていても湿気による不具合は起こる。

効かない乾燥剤は調律師の小遣い稼ぎだ。

湿度の高い部屋のピアノに乾燥剤を入れて内部だけ乾燥させるなんてそもそも無理な話。

乾燥剤を大人買いしたつもりで除湿機を買おう

乾燥剤を入れてるから安心と思わせてしまうのが怖い。大切なのは部屋全体の湿度コントロール。

ピアノの中はあれだけ埃が入る、つまり空気の流れがあるから効かない。

湿度の高い半年間効き続けるなんてありえない。

何だかわからないけど。安心のために入れているだけであって効果はない。

湿度計を使って効力を実験したが効果を示すデータはとれなかった。

乾燥剤効く・入れる派の意見

アクションのスティック(関節の動きが悪くなる現象)が緩和されたり、カビが生えなくなったりと効果を体感している。

肌感覚なので数値で示せと言われると困る。

冬場のピアノの中の結露は除湿機ではどうやっても効かないから入れる。

僕が投稿した文

僕はアップライトのみ推奨派です。

ですが入れるかどうかはいつもお客様に決めてもらっていました。

あの乾燥剤は湿気を吸い続けるというよりは、急に湿度が上がった時に活躍してくれますよね。冬に関東で大雪が降った時に乾燥剤の入ったピアノは不具合が起きなかったですし、今年は乾燥剤無しで様子見てみましょうかってなったピアノが梅雨に入った途端に中音のピッチが跳ね上がって結局また調律したなんて事もありました。もちろん無しで今までと変わらなかったピアノは入れる必要なさそうですねと伝えていました。

いつも説明していた内容としては、

「乾燥剤は60%の湿度を50%にする力は無くて、天候が変化したりして湿度が急激に上がった時に湿気を少し吸ってくれます。サプリメントみたいなもので毎日飲んでいるからといって絶対健康でいられるわけではないけど、止めるとニキビ出来たりするってことは若干でも効いているって事です。ただ理想はサプリメントなんか必要ない健康的な生活ですよね。ピアノも乾燥剤を入れていれば安心というわけではなくて、普段の環境が少しでも良くなる事の方が大事です。ただこの”良い環境”を常に維持するって現実にはなかなか難しいので、普段から環境を気にしつつ何かあった時のために入れとくのは全然ありです。」という感じでしょうか。

乾燥剤入れない派の意見も理解出来ます。入れてさえいれば安心というのはもちろん間違えですし、不具合が起きるような環境で入れても効果はほぼないという意見も同じです。そういうピアノに無理矢理売りつけるのは小遣い稼ぎと思われても仕方ないです。

でも湿度管理をした上でさらに何か少しでも出来る事はないかという持ち主もいますし、がっつり調整したピアノってやっぱり敏感になるのでリアルな話ピアノと持ち主はもちろん僕も助けられていました。

ものは使い方次第だと思います。

自分の経験から1番効果を発揮する使い方を説明した上で後は持ち主が金額に対して判断するとこなのかなと思います。

僕が行っていたお客様で多かったのは、交換した古い乾燥剤を玄関の靴箱に入れるパターンです。

靴箱って場合によっては部屋の中とは比べられないほどに湿気ますよね。数字でどれくらい効いていたのかわかりませんが乾燥剤を入れていたほぼ全ての人が靴箱用に古いのが欲しいと言うくらい好評だったので、やはり湿度がかなり高い環境でこそ活躍してくれるのかなと思います。

ウィーンはもちろんオーストリア全体は日本ほど湿度が高くないとは言われていても、最近調律に行くピアノは湿気の影響受けまくりです。不具合が出る事は少ないですが、やはり細かい部分まで調整したピアノほど顕著に症状が出ています。グランドはどうしようもないですが、アップライトは乾燥剤入ってたらこの急激な変化は多少押さえられるのかなぁなんてここ最近いつも思います。

さいごに

乾燥剤について書いてきました。
SNSで色々な調律師さんが意見を交わし、これをピアノユーザーが見られるなんて良い時代になったなぁなんて思います。


以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。としさん