家のピアノの弦が切れたら。

ピアノをお仕事にされている方や、趣味でもたくさん弾いている方は経験があるかもしれません。

本記事では、ピアノの弦が切れた時のことについてまとめました。弦が切れるという事は一般的ではないですが、この仕事をしていると割とよくある事です。弦が切れた時の修理に掛かる費用についても書いていきます。

まずすべき事。

調律師さんに連絡です。ヴァイオリンなどと違いピアノの弦を張るのは調律師さんの仕事になります。普段来ている方へ弦が切れましたと連絡して、新しい弦を張りに来てもらう日を決めましょう。この時にどこの音かを聞かれるはずですので、高い方、低い音など伝えましょう。

修理に掛かる費用と時間

切れた弦によって変わります。中音から高音に張られている弦と低音の弦って見てみると材質が違います。低音弦は”巻き線”と呼ばれていて銅が弦の回りにさらに巻かれています。

切れた弦が普通の弦(中音から高音)だった場合には規格品ですので、大体3000円~5000円くらいと出張費で張ってくれるはずです。都合が合えば当日にでも張りに来てくれるはずです。

低音弦は全て特注のため弦代だけで8000円かもっとします。これに技術料と出張費が掛かるため下手したら調律1回分くらいになります。基本的には低音の弦を作る業者さん、またはメーカーに弦を発注するところからになるので、今日切れて明日張ってくださいと言っても難しい事が多いです。

調律師さんが来るまでの間、そのまま弾いても大丈夫か

基本的には弾いていて問題ありません。

ただしこれは調律師さんが近い日程で来てくれることが前提です。
切れた弦を長い時間放置したまま弾くのはピアノにとってあまり良いことではありません。

新しい弦を張った後

1度経験された方ならわかると思うのですが、新しい弦はあっという間に狂います。すぐに伸び切ってしまうからです。張った瞬間から狂っていき(多少持たせるコツはあります)、1週間もすればピアノを弾かない人が聴いてもわかるくらいおかしくなるので、その弦のみ再度調律が必要になります。

このたった1本の弦の調律にお金をとるかどうかは調律師さんによりますが、出張費くらいは掛かると考えておきましょう。

としさんの時は近くを通ったタイミングに合わせて頂けるのであれば無料で滞在時間3分くらいでやっていました。お邪魔しますって言ってピアノ開けて20秒くらいで調律してピアノ閉めて出ていくという流れです。

弦をよく切る方に関しては、ご自身でチューニングハンマー(軽いものがオススメ)を買って簡単なやり方を覚えておくと調律師さんがすぐに来れない時にも“変は変だけど許せる”くらいの状態で弾くことが出来ます。

チューニングハンマー(カーボン製)

なぜ弦が切れるのか

可能性は3つあります。

原因不明

1つめは単純に運が悪かったパターン。いわゆる原因不明の時です。ピアノの弦というのはかなりの高い張力で張られていて、いつ切れてもおかしくないのが現実です。この場合には他の弦が今後切れる心配はなく、たまたま今回運が悪かったんだなと思うことにしましょう。

弾き方

2つめは弾き方です。ピアノの弦って切ろうと思っても切れないものなのですが、ごく稀によく弦を切る人がいます。

僕が日本で調律に行っていたピアノバーの話です。

そこに出入りしているピアニストは合計15人くらいいました。毎日誰かしらピアノを弾いているので調律のペースも数か月に1度。1年に何回か弦が切れたと連絡が入ることがありましたが、弦を切るのは決まって1人のピアニストでした。

こういう話はよく聞くので、自宅だけではなく学校などでもよく弦を切る方は弾き方を見直した方がいいかもしれません。

金属疲労(弦の寿命)

3つめは弦の疲労です。金属疲労ってやつです。弦は弾いている弾いていないに関わらず常に強い張力で張られているため、少しずつ金属繊維が弱くなっていきます。そのタイミングでたまたま強く叩かれた時に弦が切れます。

結構あるパターンで、1回弦が切れ始めるとその周辺の弦が立て続けに弾いていて切れるという事があります。この場合は明らかに弦の金属疲労が原因のため、切れていない弦も含めて弦交換の時期が来ているということになります。弾く頻度や環境にもよりますが、ピアノによっては20年から30年くらいで弦が切れ始めることがあります。よく切れる音域のみ張り替えるという事も出来ますので、断線(弦が切れること)が頻発するようであれば調律師さんに相談してみましょう。費用は調律師さんによってかなり違いますが、いつもどれかしらの音がとても狂っているという状態になるよりは一気に変えた方が快適に弾くことはできます。

例外

ピアニストや音大受験生のご自宅、または音大受験生の生徒さんがたくさんいるピアノ教室の弦はよく切れます。これはシンプルにたくさん弾かれている事が原因です。音大のピアノもこれに当てはまります。国際コンクール出場者を何人も出している教室の調律をしていた事がありますが弦が切れるのは日常でした。

さいごに

弦が切れた時にどうすればいいのかという事について書いてきました。

実は最も切れる時っていうのがありまして、ズバリ調律中です。調律という作業は弦を緩めたり引っ張ったりするので、その際にバーンと切れるわけです。調律していて弦が切れそうなピアノがわかる時もよくあり、その時には事前に説明した上で作業します。何も説明せずにバーンって大きな音がしてピアノが壊れたと思われたら大変です。

ともあれ弦が切れる時の音は心臓にも良くないですし、出来れば体験して頂きたくないというのが本音です。ですが、万が一切れても直るのでご安心ください。

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 としさん

僕の普段使っている調律道具やAmazonで買えるチューニングハンマーも紹介しています。