家のピアノの弦が切れたら。

こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
横浜を拠点にピアノ調律師やってます♪YouTubeもがんばってます!

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ピアノをお仕事にされている方や、趣味でもたくさん弾いている方は経験があるかもしれません。

本記事では、家のピアノの弦が切れた時のことについてまとめました。修理に掛かる費用についても書いていきます。

2500文字と長めの記事ですが、たくさんピアノを弾かれる方は一度目を通しておいても損はないかもしれません。

※こんなブログを読んでる場合じゃない方もいらっしゃると思うので、本当にお急ぎの方は近所の楽器店、またはこちらから調律師さんを探してみてください。

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弦が切れたらまずすべき事

まず普段来てくださっている調律師さんに連絡です。

ヴァイオリンなどと違いピアノの弦を張るのは基本調律師さんの仕事になります。

すぐに連絡をして新しい弦を張りに来てもらう日を決めましょう。この時にどの音かを聞かれるはずですので、答えられるようにしておくとgoodです。

修理に掛かる費用と時間

切れた弦によって変わります。

中音から高音に張られている弦と、低音の弦って見てみると材質が違います。低音弦は”巻き線”と呼ばれていて銅が弦の回りに巻かれています。

切れた弦が普通の弦(中音から高音)だった場合には規格品ですので、大体3000円~5000円くらいと出張費で張ってくれるはずです。都合が合えば当日にでも張りに来てくれます。

低音弦は全て特注のため弦代だけで1本最低8000円かメーカーやピアノの大きさによってはこれよりはるかに高いです。これに技術料と出張費が掛かるため下手したら調律1回分くらいになります。

基本的には低音弦を作る業者さん、またはメーカーに弦を発注するところからになるので、今日切れて明日張ってくださいと言っても難しい事が多いです。

調律師さんが来るまでの間、そのまま弾いても大丈夫か

基本的には弾いていて問題ありません。

ただしこれは調律師さんが近い日程で来てくれることが前提です。
切れた弦を長い時間放置したまま弾くのはピアノにとってあまり良いことではありません。

新しい弦を張った後

1度経験された方ならわかると思うのですが、新しい弦はあっという間に狂います。すぐに伸び切ってしまうからです。

張った瞬間から狂っていき(多少持たせるコツはあります)、1週間もすればピアノを弾かない人が聴いてもわかるくらいおかしくなるので、その弦のみ再度調律が必要になります。

このたった1本の弦の調律にお金をとるかどうかは調律師さんによりますが、出張費くらいは掛かると考えておきましょう。

としさんの時は近くを通ったタイミングに合わせて頂けるのであれば無料で滞在時間3分くらいでやっていました。お邪魔しますって言ってピアノ開けて20秒くらいで調律してピアノ閉めて出ていくという流れです。

弦をよく切る方に関しては、ご自身でチューニングハンマー(軽いものがオススメ)を買って簡単なやり方を覚えておくと調律師さんがすぐに来れない時にも“変は変だけど許せる”くらいの状態で弾くことが出来ます。

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なぜ弦が切れるのか(3つの理由+例外)

原因不明

1つめは単純に運が悪かったパターン。いわゆる原因不明の時です。

ピアノの弦というのはかなりの高い張力で張られていて、設計の視点から見ると実はいつ切れても不思議ではありません。

この場合には他の弦が今後切れる心配はないので、たまたま今回運が悪かったんだなと思うことにしましょう。

弾き方

2つめは弾き方です。ピアノの弦って切ろうと思っても切れないものなのですが、ごく稀によく弦を切る人がいます。

僕が日本で調律に行っていたピアノバーの話です。そこに出入りしていたピアニストさんは合計15人くらいいました。

毎日誰かしらピアノを弾いているので調律のペースも最低2か月に1度。そして1年に何回か弦が切れたと連絡が入ることがありましたが、弦を切るのは決まって1人のピアニストさんでした。

こういう話は調律師の間ではよく聞くので、自宅だけでなく学校など他のピアノでもよく弦を切る方は弾き方を見直した方がいいかもしれません。

金属疲労(弦の寿命)

3つめは弦の疲労です。

弦は弾いている弾いていないに関わらず常に強い張力で張られているため、少しずつ金属繊維が弱くなっていきます。そのタイミングでたまたま強く叩かれた時に弦が切れます。

結構あるパターンで、1回弦が切れ始めるとその周辺の弦が立て続けに弾いていて切れるという事があります。

この場合は明らかに弦の金属疲労が原因のため、切れていない弦も含めて弦交換の時期が来ているということになります。また弦が接している金属部分の形が原因の時もあり、こういった時もまとめて弦を交換するタイミングだったりします。

弾く頻度や環境にもよりますが、ピアノによっては15年から20年くらいで弦が切れ始めることがあります。

例えば上から3オクターブのよく切れる音域のみ張り替えるという事も出来ますので、断線(弦が切れること)が頻発するようであれば調律師さんに相談してみましょう。

費用は調律師さんによってかなり違いますが1本ずつ切れた弦を張り替えるよりは確実に安いのと、いつもどれかしらの音が狂っているという状態を避けられるので、一気に変えた方が快適に弾くことができます。

例外

ピアニストさんや音大受験生のご自宅、または音大受験生の生徒さんがたくさんいるピアノ教室の弦はよく切れます。

これはシンプルにたくさん弾かれている事が原因です。音大のピアノもこれに当てはまります。

国際コンクール出場者を何人も出している教室の調律をしていた事がありますが、弦が切れるのは日常でした。

さいごに(弦が一番切れるタイミング)

弦が切れた時にどうすればいいのかという事について書いてきました。

実は最も切れるタイミングというのがありまして、それはズバリ調律中です。

調律という作業は弦を緩めたり引っ張ったりするので、その際にバーンと切れるわけです。

調律していて弦が切れそうなピアノがわかる時もよくあり、その時には事前に説明した上で作業します。何も説明せずにバーンって大きな音がしてピアノが壊れたと思われたら大変です。

ともあれ弦が切れる時の音は心臓にも良くないですし、出来れば体験して頂きたくないというのが本音です。

ですが、万が一切れても直るのでご安心ください。

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 としさん

僕の普段使っている調律道具やAmazonで買えるチューニングハンマーも紹介しています。