【効果絶大の裏ワザ】今すぐ自分でできる冬のピアノ調律の狂いを抑える方法

こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
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調律が狂いやすい冬の時期、調律師さんに相談すると加湿して湿度を50%に安定させてくださいと言われるはず。もちろんその通りなんですが、その他にもやれる事があります。

本記事では今日から自分でできる冬の時期の調律の狂いを抑える裏ワザを紹介します。

ちなみに加湿器については別記事にまとめています。ピアノ専用としては買ってはいけない加湿器などについても解説しているので、少しでも参考になれば嬉しいです。

ピアノ調律師が本気で選ぶ加湿器と湿度計2023!

冬場に調律がなぜ狂うのかは後のほうで説明するとして、早速裏ワザ2つから紹介していきます!

バケツに水

加湿器買うのはちょっとな~という方にオススメのお部屋の乾燥対策です。

やり方

バケツに水を入れてピアノの近くに置きます。グランドピアノであれば真下(本体の下)、アップライトピアノであればペダルの横のスペースです(スマホなど落とさないように!)。
見栄えは良くないですが効果はあります。

タオルの先端を水につけて、バケツのふちから少し外に飛び出るくらいのところにタオルを掛けておくとより効果的です。

注意点は以下の3つ。
・お子様やペットがいない事(倒すと大変です)。
・水はバケツ一杯にする必要はなく2割くらいでOK。
・タオルをバケツに掛ける時に、外側のタオル先端が水面の高さより高い位置になるように掛けること。これを間違えると床がびしょびしょになります。

ちなみに濡れタオルをハンガーに干す方法はあっという間に乾いてしまうのであまり有効ではありません。

年末年始など冬場に家を数日空ける時に超有効!

帰省される際にはピアノのある部屋にバケツ+タオルを2つ(リビングなら3つ)くらい置いて出掛けるのをオススメします。帰ってきた時のピアノの部屋の潤いが違うと皆さん口を揃えて言います。

「実家から戻ってきたら音が大変な事になっていて・・・」
なんて事も少なくなります。

この方法は普段加湿器を使っている方にもオススメです。

折りたたみバケツ

バケツはやっぱり意味がない?

先日調律師のみきあつしさんのチャンネル(オススメチャンネルなのでぜひ他の動画も見てみてください♪チャンネル登録もぜひ!)で、バケツによる実験が行われて、結果はなんと部屋の湿度が下がりました。動画では効果のないものとして紹介されていましたが、帰省後の狂いが少なくなったという声は結構あるんですよね。ひょっとしたら偶然だったのかもしれません。

帰省などで家を長期間空ける時に出来ることがあるのか、今のところないのかについては触れられていませんが、また次の実験動画を待ちます!

【効果抜群】暖房の設定を2段階に。温度をゆっくり上げていく。

これは本当に効き目抜群です。毎年2~4回調律されていた方が「調律の回数が劇的に減りました」と口を揃えて言います。

エアコン風よけカバー(猫)

やり方

まず部屋を暖める時に暖房の設定温度を1番低い温度に設定します。そして30分~1時間くらいしたらいつもの温度に設定します。

これだけです。

最初やってみるとかなり面倒に感じますが、慣れて習慣化してしまえば全く苦にならないそうです。

この方法がなぜ効果絶大なのか。暖房で調律が狂う原因と合わせて説明していきます。

エアコン・暖房で調律が狂う理由

まずエアコンの風がピアノに直接当たると、シンプルに過乾燥で狂います。ここではもう一つの落とし穴とも言える原因について解説します。

温度差で結露(場合によっては内部にカビが生えます)

ピアノが置いてある環境にもよりますが、冬場の朝って部屋がかなり寒くなりますよね。この時、ピアノは鍵盤だけではなく内部の弦や鉄骨(金色のフレーム)などもキンキンに冷えています。

当たり前に暖房を入れると思うのですが、ここで落とし穴。
ピアノってかなり密閉されているので、鍵盤が冷たくなくなってもピアノの中の空気はまだキンキンです。

この状態でお部屋の温度が急激に上がると、ピアノの中と外気の温度差で結露します。短時間での高湿度→乾燥。この流れが毎日繰り返されると調律はどんどん狂っていきます。

加湿器は使っていない+湿度はいつも低いお部屋なのに、鍵盤が戻ってこない・カビが生えるなどの症状が冬に出るピアノは、ほぼ急激な温度差による結露が原因です。

この冬はコロナの予防もあって換気をたくさんされる方もいらっしゃるはずです。その場合、本音で言えばすぐに暖かくして快適に弾きたいはず。ただこれをやるとあっという間に狂ってしまうので、換気後の暖房の設定温度は少し低めにされるのをオススメします。

加湿器(設置した人の声)

冬場の調律が狂う原因No1、ピアノの大敵である乾燥対策に最も有効なのはやはり加湿器です。

僕もたくさんの方に加湿器をオススメして設置して頂いたのですが、ピアノの調子が良くなるのと一緒にたくさんの方が仰るのは、

「長時間レッスンしてものどが全然痛くならなくて驚きました」

「ピアノ用に買ったら風邪をひかなくなって、こどもの寝室用にも買い足しました」

など健康に関する声です。
僕はよくわからないのですが、女性の方からは「お化粧のノリが全然違う」という声も聞きます。

ピアノにとって快適な環境というのは、人間にとっても過ごしやすいという事です。

ピアノ調律師が本気で選ぶ加湿器と湿度計はこちら

まとめ(冬狂う→夏狂う。負の連鎖)

ピアノが狂う1番の原因は急激な環境の変化です。

・暖房の最初の設定温度を低くする
・バケツの水で湿度が下がらないようにする
・加湿器を置く

などの環境を整えることが有効です。

冬に過乾燥したピアノの調律は夏にもかなり狂います。
人間が運動した後ってのどが渇きます。特にたくさん汗をかいた後の一口目ってごっくんと大きく水を飲みこむはずです。

ピアノも乾燥すると脱水状態になり、梅雨にいく前の春の時点で空気中の水分を多く取り込もうとして結果的に不具合に繋がります。

なので冬の乾燥を少しでも抑えると、夏の湿気にもそんなに反応しなくなり1年中ピアノは快適な状態を保てるわけです。

おわりに

冬の調律の狂いを防ぐ裏ワザを紹介してきました。
実は暖房2段階の方法はあるお客様から教えて頂いたんです。あまりにも効果があったから是非他の方にも伝えてほしいという事で、どんどん伝えていったところ本当にピアノの調子が良くなってちょうど良い具合に仕事が減って助かったくらいです。

僕たち調律師の願いとしては、プロアマチュア関係なくピアノが良い状態であってほしい=ピアノを快適に弾いてほしいというものです。

ただ温度や湿度などの話を聞くのはピアノを弾く方にとってもあまり楽しい事ではないと思うので、興味のある方が読めるようにこの記事を書きました。
楽しいピアノライフに少しでも役に立てば嬉しいです!

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。としさん