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神様は五線譜の隙間に
メディアワークス文庫
著者:瀬那和章
小説です。
ピアノ調律師の小説といえば本屋大賞を受賞した“羊と鋼の森”が有名ですが、この“神様は五線譜の隙間に”もかなり面白いです。
ピアノ好きな人はもちろん、ピアノ調律師に興味のある人、高校生で調律師を目指そうか迷っている人は間違いなくオススメです。
神さまは五線譜の隙間に (メディアワークス文庫)この小説は物語も面白いのですが“プロとは何か”という点についても細かく描写されているように思います。“羊と鋼の森”が調律師という職業のきれいな部分のみをクローズアップして気持ちよく読めるのに対して、こちらの作品では現実的な苦悩や普段の仕事で考えている事がかなりリアルに描かれています。読みながら「わかるわかる!」って何度思ったことか。
これは好みの問題ですが、何回か読みたくなるのはこちらです。と言いながら“羊と鋼の森”も面白くて2周+α読んでいます。映画はamazonプライムで見れるようになっています。
さて、内容を少しだけ。
とある有名ピアノ調律事務所の2人の調律師、犬山幹太(新人)と月山時子(凄腕)がメインキャラクターなのですが、調律の依頼主もなかなか特徴的で2人と同じようにそれぞれ悩みを抱えています。
例えば、「シューマンが大好きだった頃のように」という夫からの遺言を残された、活動休止中の超有名ショパン弾き。
母親からの大き過ぎる期待に悩むバッハ弾きの超天才少女。
などなど他にも魅力的な依頼主が物語に登場します。
ピアノ調律師の世界はかなり厳しいです。特に新人は就職しても半数は2年以内に辞めて別の職業に就きます。この小説を読みながら思ったことは、「この主人公の新人調律師はきっと辞めずにずっと調律師やっていきそうだなぁ」です。こんな事思いながら読む人ってあんまりいないと思うのですが、言ってみればそれくらいリアルに物語が描かれています。
お時間あれば是非読んでみてください。
神さまは五線譜の隙間に (メディアワークス文庫)以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 としさん