ピアノの調律が狂う7つの原因

こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
横浜を拠点にピアノ調律師やってます♪

ピアノを弾いていたら、あれ?音が変になってきたって時ありますよね。
よく弾く人であれば調律したのにもう大きく音が狂っちゃったなんて経験もあるかと思います。

本記事ではこの「調律が狂う」という現象について考えられる原因を、調律師としての経験からまとめています。直接何かに役立つ情報ではありませんが、特にピアノを弾くことを職業にされている方は知っておいても損はない知識かなと思います。

それぞれの項目について詳しく知りたい方向けに、トシブログ内の詳細記事リンクを貼っています。参考になれば嬉しいです。

※ここに書いてあること以外にも様々な原因が考えられます。わからない事がありましたらぜひ普段来てくださっている調律師さんに相談してみてください。

調律技術に問題あり

調律した直後にちょっと弾いただけでどこかの1音がもう狂ってきた、なんて時はこのパターンの確率ありです。

シチュエーションは様々なので、一概に調律師さんのせいって事は少ないですが、あまりにも早く、何回調律しても狂う時には調律師さんにこの事を伝えて相談しましょう。説明に納得がいかない時には調律師さんを変えるというのも1つの選択です。

温度、湿度などの環境の変化

温度や湿度によって調律は微々たるものですが常に変化しています。これが極端な変化の場合には調律も許容を超えて狂います。

基本的には湿度が下がるとピッチも下がります。

逆に湿気が多いとピッチは上がります。なので季節で言うと冬場は音が下がり、夏場は上がります。

特に湿度変化によって調律が狂う時には中音域が1番大きく狂います。

調律師あるあるでもありますが、夏場に「高音と低音のピッチが異常に低い」と言われても95%の確率で中音が異常に高くなっています。

音が上がるって想像しづらい方も多いと思うので、簡単に説明します。

ピッチが上がる=弦が張られると考えましょう。湿気が多いと響板が膨らみます。この膨張が原因で弦も引っ張られて音も上がります。

いつも決まった季節に調律が大きく狂うという場合、環境に原因があることが多いです。調律師さんにも相談して、出来る範囲で環境を整えましょう。

役に立つ記事はこちら

梅雨と夏のピアノのための湿気対策

ピッチを変えた時

上に書いたように環境によって大きく調律が狂ったピアノを調律した時には、そこまで狂っていないピアノに比べて狂いやすい傾向にあります。

また、そこまで狂っていなくても440→442に上げた時や、逆に442→440に下げた時にも、ほんの少しですが安定しづらくなります。ピアノを趣味で弾いていてソロでしか弾かないという方はこのピッチをあまり変えずに調律するとより長持ちします。

また、同じ2Hzの場合下げた時の方が狂いやすいです。
調律のピッチについて役立つ記事はこちら。

ピアノのピッチについて~440?442?443?~

弦が新しい

これは切れた弦を1本新しく張り替えた時や、全ての弦を交換したピアノです。

新しい弦に関してはどうしようもありません。短いスパンで何回も調律するしかないです。

役立つ記事はこちら。

家のピアノの弦が切れたら。慌てないで大丈夫です。

楽器そのものが新しい

弦だけでなく、新品のピアノです。

弦以外に響板なども最初新しい環境に合わせて動きまくるので、調律が狂いやすいです。

本当の最初は全体が狂ってくれるので、結果としてそんなに目立たないこともあります。少し安定してきたくらいの方が、ある音域だけが狂ったりするので変化は少ないのですが、より狂って聴こえたりもします。

新品のピアノについて役立つ記事はこちら。

新品のピアノはたくさん調律が必要

長年調律していないピアノ

久しぶりに調律されるピアノです。ピッチが下がっている時もありますし、そんなに下がっていなくてもなぜか安定しづらいです。

こういったピアノは短いスパンで調律をするしかありません。

長年調律されていないピアノについて役立つ記事はこちら。

10~15年調律されていないピアノについて

弦、または弦を巻いているチューニングピンに問題あり

案外少なくないパターンです。ピアノの弦の張力は弱くても60キロ以上あるので、この張力に物理的に耐えられない状態になっている時です。

ピンを深く打ち込んで解決する時もありますが、打ち込む際には音は絶対に大きく狂うので、どちらにしても最初は安定しません。

こういうピアノの時には場合によっては大きな修理が必要になります。調律師さんに聞いてみましょう。

さいごに

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ここまでピアノの調律が狂う原因について書いてきました。

調律って決して安くないものなので、なるべく狂ってほしくないはずです。変な狂い方をした場合には、信頼できる調律師さんに相談してみましょう!

以上になります。 最後まで読んで頂きましてありがとうございました。と