ピアノの寿命について。中古ピアノを探す際に。

ピアノの寿命については調律師さんがよく聞かれる質問の1つです。

インターネットで調べると、あるサイトには100年以上、あるサイトには50年や30年と書いてあります。

本記事ではこのピアノの寿命についての僕の考えをまとめました。

中古ピアノを買う時に、「このピアノあとどれくらい弾き続ける事が出来るんだろう」って思った時にはこの記事が少し参考になるかと思います。

ピアノの寿命

結論から言うと日本製は50年くらい、ヨーロッパ製(全てではありません)は100年以上です。この数字が置いてある環境や弾く頻度、調律の頻度によって大きく変わります。基本的には量産ピアノの方が寿命は短い傾向にあるかと思います。

日本だと100年くらい経ったピアノはビンテージと呼ばれたりしますが、ヨーロッパではビンテージではなく普通の中古ピアノとして販売されています。

ちなみにこの数字は楽器本体の寿命です。例えば50年経った日本製のピアノを完全に修理したらまた50年弾き続けられるという事はありません。あくまでも本体の木材の寿命と言っていいと思います。

そしてこの年数ですが、ある事によっても大きく変わってきます。

ピアノの寿命の考え方

ある事というのは、ズバリそのピアノに対する要求のレベルです。

ピアノを使っていると、どこかしらの部品は消耗していきますし弦もずっと高い張力で張られているため疲労してきます。こういった事は全て音に表れてきて、楽器の能力は本当に少しずつですがゆっくりと低下していきます。

どのように音に表れるのかというと、まず音の伸びが短くなっていき音量の幅も狭くなってきます。

要求のレベルとはどういう事かというと、ただ音が鳴れば良いという方にとっては極端な話メカニック部分が動けば半永久的に弾くことが出来ますし、ピアニストのようなピアノに高い要求がある場合には寿命は早めに来ると言えます。弾く時間も多いため部品交換などの修理も趣味のピアノよりは早い段階で必要になります。

本当に寿命が来たらどうなるのか

過去にこれは本当に寿命が来ているなというピアノに出会う事がありました。

症状としては、まず音が伸びずすぐに消えてしまいます。中音域ですら1~2秒くらいで音量そのものも小さいです。つまり楽器本体が振動しなくなってしまっているという事です。このようなピアノは弦を新しく交換してもハンマーを変えても全く意味がありません。

中古ピアノを探していてこのピアノってあとどれくらい使えるんだろうと思っている方へ

そのピアノによって変わってくるので、一概にこうですとは言えません。現実には上に書いたような本当に寿命が来ているピアノが売られていることはほぼないと思います。それよりは消耗部品の具合を聞いてみる方が大切です。

ピアノ屋さんに質問する時は「どれくらい使えるのか」ではなく「いつ部品交換などの修理が必要になるのか」を聞いた方が具体的な答えが返ってきます。

この消耗部品、例えば鍵盤に使われているフェルト類などが挙げられます。多少消耗してはいるけれど趣味で弾くくらいであれば15年くらいは問題なさそうな場合や、交換すると販売価格は当然上がるので値段を上げないためにそのままの状態で調整してあるという事も多いです。

またハンマーについてもよく聞かれるのですが、最初から極端に消耗していなければ毎日1時間程度練習したとして30年くらいは交換する必要はないかなと思います。

さいごに~調律師によって見解が異なります~

ピアノの寿命について書いてきました。

この寿命については実は調律師さんによっても言うことがかなり違います。もう限界で買い替えが必要と言われたというピアノを見に行ったらただ適切な調整がされていないだけだったという事もありました。

このピアノの寿命に関しては信頼できるピアノ屋さんに聞いてみるほかにありません。

中古ピアノの状態は本当に様々なので、説明を聞いて納得した上で判断しましょう。

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。としさん