ウィーン音大教授とピアノの先生に聞いてみた④としコラボVol.2-4

こちらの動画を文字にしたものです。

M:マティアス・トラクセル教授
C:カルメン先生
T:としさん

長いフレーズの作り方、弾き方のコツはどの様におしえればよいでしょうか。

M:長いフレーズを形作ることは、最も難しいことの1つだと言えます。本人がそのフレーズについてどこまでイメージ出来るかにもよります。

そして、音と音の間の空間を、その生徒がどれだけ感じる事ができるかです。

例えば2つの音があるとして、最初の音と2つ目の音の間には絶対的な関係があります。その関係をどうイメージづけるか、そして自分が何をそこから感じているのかどう聴いてどう感じるのか。またフレーズ全体の関係性をどう捉えることが出来るのか。これが基本になります。

音と音の間の関係性をどう弾くのかイメージしてから、今度は技術的な部分、要は身体的にどう弾くのかを決めることができます。つまり身体を動かす作業に入る、その後で、元来自分が聴きイメージした、いわば全体の緊張関係が出来上がっていくわけです。

音を個々に捉えてしまうとフレーズのイメージを持つことは難しくなります。フレーズ全体をイメージする力が大切です。

最終的には作品全体を見渡すことが出来ないといけませんが、それは本当に難しいことです。これは本当に高い芸術領域に入っています。

C:もちろん違うレベルの話ですが、小さい子どもたちとやることは“歌う”ことです。

そのフレーズを歌ってもらう、その子が歌いたくなかったらフレーズをどう歌えるのかイメージしてもらいます。

M:歌ってみると、そこでは確かにフレージングはごく自然にあらわれてきます。

ただ問題はピアノの音は弦楽器や管楽器と比べた時に、抽象的になり過ぎることです。声や弦、或いは管楽器と比べると、ピアノでフレーズを表現することはずっと難しいです。

ですのでわたしは音と音の間の関係性をイメージすることについて話したのです。ピアノの音はどうしても抽象的ですから。ここが難しいところです。

補助ペダルについてどう思われますか?

C:たまに使う事もあります。ただ普通は家にないものなので、これについては考えなければなりません。

ペダルを使うために立たなければならないようであれば、成長するのを待った方が良いと私は思います。

感想

内容の都合で今回は短めの動画になりました。

補助ペダルについてはもう少し掘り下げようと思ったのですが、日本と違いピアノレッスンのために生徒の親が補助ペダルを買うことはまずないとの事でしたので、短めの編集にまとめました。こういう部分でも日本との違いがあるようですね。

フレーズについては、マティアス教授からはとても専門的な話を聞くことが出来ました。歌ってみるのではダメなのかなぁと思っていたところでカルメン先生からちょうどよくその話題が出てくれたので、大変助かりました(^^)

動画ではカットしましたが、「絵画を見る時と同じでまずは全体を見てから少しずつ細かい部分にも注目していきますね。全体を見ずに細かい部分から見る人はほとんどいないはずで、まずは全体を見渡すことが大切」と仰っていました。

表現すべきはあくまでも”音楽”なんだという、ここまでの動画で毎回仰っていることを今回も感じることができました。

次回は3歳くらいの子どもが習い始めることについてと、ピアノを始める年齢についてのお話です。

まだまだ続きます。

読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦