こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
横浜を拠点にピアノ調律師やってます♪YouTubeもがんばってます!
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調律ってどれくらいの頻度でする必要がありますか?
これはピアノをお持ちの方が必ず一度は持つ疑問ですよね。1年に1回?半年に1回?2年空いても大丈夫?など。
本記事では「ピアノ調律の頻度」についての調律師としてのリアルな本音も含めて書いていきます。またオーストリアにも仕事でたまに行くので、オーストリアでの調律頻度事情についても最後に触れていきます。
長めの内容なので、目次からご興味のあるところへ飛んでくださいね。
一般的に言われている事
基本的には年に1回はやりましょうと言われています。
ピアノという楽器は木材やフェルト類が多く使われているため、弾く弾かないに関係なく温度や湿度が変わるとピアノの状態も変化するためこのように言われています。
次から世間ではあまり言われていない内容になります。
【本音】調律頻度のリアル
本音をズバリ言うと、調律の頻度はそのピアノの状態をどこまで求めるかによって変わります。
極端な例で言えばやはり有名コンサートホールのピアノ。コンサートの度にほぼ必ず調律がされています。そして温度湿度は完璧に管理されていてほぼ毎日調律されているにも関わらず、年に1回か2回、保守点検といって丸1日あるいは2日間掛けてがっつり調整されています。
これは超極端な例ですが、コンサートホールのピアノはこのようにして最高の状態が保たれています。
そしてどんなに環境が完璧でも家のピアノをホールと同じコンディションに保つのは難しいのが現実です。しかし逆に言えば年に何回やっても何かしら意味はあるという事になります。
【季節】いつやるのがオススメ?
調律をどの季節にやるかのかは正直いつでもそんなに変わらないです。梅雨は避けた方が良いとよく聞きますが実際そうでもありません。もし調律の狂う時期がなんとなくあるというピアノの時にはその季節を過ぎてから調律をするのが効果的です。
としさんオススメの調律頻度(一般の方向け)
一般の方向けの個人的な調律頻度のオススメは8か月に1回。2年で1周と考えて、2年間で3回のペースです。
理由はいくつかあります。
まずピアノの調律というのは実はたくさんの工程があって、その都度与えられた時間で出来る事を選んで作業しています。そして調律が1年に1回のペースだと毎回似たような作業の繰り返しになります。なのでわりと現状維持しているように見えても、作業出来ない部分に関してはゆっくりと状態が悪くなっていくという事です。
これが例えば8か月あるいは半年に1回になると、現状維持のための作業時間を減らすことが出来るため、その分+αの作業が出来るようになります。
そしてもう1つのメリットは毎回違う季節に調律できるという事。ピアノは一般的なイメージよりも季節によってかなり調整が変化しています。別の季節の状態を見れるという事は理想的な調律調整の良い助けになります。
そしてこの8か月に1回の最も大切なポイントは、絶対にこの期間を守る必要がないというところです。
調律のタイミングってバタバタするとあっという間に半年くらい過ぎますよね。ピアノの置かれている環境によってはこの半年が結構大きかったりするわけですが、8か月に1回となんとなく頭に入れておけばバタバタしても1年ちょっと過ぎくらいで調律できます。
ただ調律はお金の掛かる事なのでバランスを考えつつ期間を決めましょう。
調律の時に次回のオススメ日程を聞いてみても良いかもしれません。
オーストリアのピアノ調律頻度事情
オーストリアの場合、年に1回という事はあまり言われていません。その代わりに「必要な時に」という感じでピアノをお持ちの方に伝えられます。年1回、あるいは2年に1回の方もいますし、ピアノを職業にされている方になってくると、年3-4回、またはそれ以上という方も普通にいらっしゃいます。
また普段の調律とは別にメンテナンスといって、10年に一度くらいのペースで消耗部品の交換のためにピアノの中身だけをお預かりして作業をしたりという事も日本よりは圧倒的に多いです。これは文化の違いもあると思うのですが、良い状態をキープすると結果ピアノの寿命は延びるので、そのピアノを長く弾き続けるために調律は細かく行う方が多い印象があります。
また状態が悪かったり弾きづらいピアノで練習すると効率が悪いという考えも一般的で、こういった理由でも調律の頻度は日本より多いです。
さいごに
この調律の頻度はお部屋の環境にも大きく関わってきます。良い状態を保つとなると、調律をたくさんしていれば温度湿度はどうでもいいかというとそうではなくて、むしろ調律の頻度よりもお部屋の環境の方が大切です。
病院にたくさん通って薬さえもらえば健康を保てるかと似ています。やっぱり生活習慣の方が健康のためには大切ですよね。
この頻度については、信頼できる調律師さんに相談してみましょう!
読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦