調律師から見たショパンコンクール③

  • 2021年11月8日
  • Blog

こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
日本では横浜を拠点にピアノ調律師やってます♪

今回のショパンコンクールでファイナルに出た方や、元々日本で注目されていた方を除いて僕が1番注目していたのは彼、PIOTR ALEXEWICZです。

1次予選の時は僕はオーストリアからの帰国にあたって外出自粛中だったため、待機場所ではずっとショパンコンクールが流れていました。

僕は映像は見ずに音源だけ聴く派なのですが、彼の演奏は少し異質というか1人全く違う世界にいるような印象を受けたのを覚えています。念のため書きますが、レベルが違うという意味ではありません。

先日の記事でYouTubeの配信には限界があると書きましたが、それでも彼の演奏だけは明らかに音や空気が違う。よくよく聴くと、それはリズムや息遣いの違いから感じる音の違いもあるとは思いますが、とにかく彼の演奏は他のコンテスタントとは何かが違ったんです。

彼の演奏についてあえて言うとしたら、今すでに亡くなっている、あるいはとっくの昔に亡くなった往年のピアニストたちの演奏と重なるものがあります。

YouTube配信からでも何か香りのようなものが漂っているというかなんというか。

彼がファイナルに進めなかったのは本当に残念ですが、今回のショパンコンクールで一番生で聴いてみたいのは彼のショパンでした。

なんとなくですが将来、オラフソンのようなポジションでソニーやドイツグラモフォンなどのメガレーベルと契約しそうな気がします。

読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦