調律師を変えることについての、調律師としての個人的な考え

オーストリアにいた時からよく質問を頂いていたテーマです。

「調律師AさんからBさんに変えたいのですが、それを伝える時に何か気を付けることはありますか?」みたいなご相談は週1くらいで実は今でも頂いています。

本記事では大きくわけて2つのシチュエーションについて書いていきます。
(目次から読みたい方へとんでください)

あくまでも個人的な考えにはなりますが、こういった事で悩む方が少しでも減ったらいいなと思います。

①僕が調律に伺っている方へ伝えたい事

結論から言います。

他の調律師さんの調律もぜひ試してほしいです。

これは誤解しないで頂きたいのですが、今後調律したくないわけではありません。ご依頼を頂く事自体はとても嬉しいですし、なんならそのピアノをずっと調律し続けたいといつも思っています。

ただそれとは別に、なかなか買い替えることのないピアノ、少しでも違う音、違う可能性がある事も知ってほしいということです。

調律師さんの作る音の方向性があまりにも違い過ぎるとピアノに良くない時も確かにあります。

ですが同じ方向を向いていても仕上がりは別のものになりますし、お持ちのピアノの今まで気付いていなかった個性に出会うきっかけになるかもしれません。

実はオーストリアではわざと複数の調律師さんに調律を頼む人も一定数いて、僕自身とても勉強になっていました。

①のまとめとしてとても矛盾していることを今から書きます。

また次もご依頼頂けるために全力を尽くして、”前回より良くなる”という意味で毎回違う仕上がりになるよう努力する一方で、お持ちのピアノの別の良さを知るために他の調律師さんも試してみられるのもオススメしています。

②他の調律師さんに変えようか、または変えたいけど変えづらいと悩んでいる方へ

これも結論から書いていきます。

変えても悪いことは特に何も起きません。

通常年に1~2回とはいえ、定期的に顔を合わせているとご縁も感じるものですし、変えづらくなるのは当たり前の事だと思います。

この事は一旦置いておいて、悩んでいる方にお伝えしたい事は1つです。

それはお客さまから「別の調律師さんに頼みました」と言われることについて、実は調律師は皆慣れているという事です。僕自身何度も言われたことがあります。

ピアノの先生の紹介だったりするとより変えづらいというパターンはあると思いますが、変えた時に調律師側で何かあるという事は聞いたことはありません。

ちなみに僕がこれを言われた時には、「何かのご縁でまた頼んでくださった時のためにもっと頑張らないといかん!」と思うだけです。

少なくとも自分が知っている調律師さんの中では、ピアノをお持ちの方が決めるべきという考えの方がむしろ一般的です。

まとめ

調律師を変えることについて書いてきました。

ここ1ヵ月くらいでこの事に関する相談がとても多かったのもあり、今回記事にしました。そのどれもが僕に頼みたいというわけではなく、Aさん→Bさんに変えたいという内容だったのでとても答えやすく(自分に頼みたい場合はどう書いても営業感が出てしまうため)、そこでいつも書いていることをほぼそのまま書いたつもりです。

そして矛盾することばかりで申し訳ないのですが、変えて良い結果になるとも限らないのもまた事実なんです。

これは本当にケースバイケースで、おそらくこういったご相談は今後も続くとは思います。

色々な方からの質問を参考にしながら、この記事をどんどん良くしていって、こういった悩みを持つ人が少しでも減ればとても嬉しく思います。

読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦