ピアノの象牙鍵盤について

ピアノの白い鍵盤、今はプラスチック製ですが古い時代のピアノには象牙が使われていました。特にヨーロッパ製の中古ピアノを探される時に“象牙鍵盤のピアノ“という条件の方もいるのではないかと思います。

本記事では、象牙鍵盤のメリットデメリットについてまとめました。現実には皆さんのイメージと業界のリアルは少し違います。この部分についても説明していきます。

メリット

弾き心地

なんと言っても弾き心地です。あの心地よさは説明のしようがないですよね。しっとりした、それでいて良い具合に滑ってくれる。なんていうか全てが良い具合なんです。

このあとデメリットについても書いていきますが、本当に良い象牙鍵盤のピアノを弾くと全てのデメリットを超越した心地よさがあります。

デメリット

変色

象牙は人間の手の脂に反応して黄色くなっていきます。この黄色くなった象牙は削るか、過酸化水素水を使って漂白しない限り元の白には戻りません。
変色を防ぐためにはピアノを弾く前に必ず手を洗って、弾いた後も布でキレイに拭くなどの習慣が絶対に必要です。特にレッスンで使う場合にはこれらを徹底しないと、漂白して真っ白になっても半年くらいでまた黄色に変色してしまいます。

消耗

象牙鍵盤は弾けば弾くほど擦り減っていく特徴があります。弾く度合いにもよりますが、良く弾く部分は鍵盤の真ん中がへこんでいきます。こればかりは対策のしようがなく、平らにするにはへこんでいない部分を削る以外に方法はありません。

2つのデメリットについて書きました。やはりプラスチックに比べると管理は大変です。

次に象牙鍵盤のリアルな価値について書いていきます。

象牙の価値について

結論から言うと価値はほぼありません。

貴重という点ではもちろん価値があると言えますが、そのピアノを買取りに出すとなった際に査定金額は変わらないことがほとんどです。特に強く変色していた場合キレイにするのが大変なため、場合によって査定金額は下がるのが現実です。剥がれていたりした場合には金額はより下がります。象牙はとにかく手が掛かるという事を忘れてはいけません。

さいごに

ここまで象牙鍵盤について書いてきました。

最初にも書きましたが、状態の良い象牙鍵盤の弾き心地は本当に素晴らしいです。ピアニストさんからも絶対欲しくなる感触という話を聞いたことがあります。

ただ管理がプラスチックに比べると手が掛かるのとピアノ本体の価値はほぼ変わらないため、ピアノを探していて気に入った2台のうち片方は象牙、もう片方はプラスチックだった場合には、一旦鍵盤の素材の事は抜きにして音で決めるのをオススメします。

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 としさん