
こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
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ベルリン交響楽団 with 石井琢磨 at ベルリンフィルハーモニーに行ってまいりました!
YouTubeのたくおんTVでベルリン公演の密着動画が近々公開されるみたいなので、ネタバレに注意しながらいつも通り個人的に感じた事を書いていきます。
※ベルリンフィルハーモニーというのはホールの正式名称
音楽の聖地
ベルリンフィルハーモニー

当日のレビューの前に前日のドレスリハーサルに同行した際にこの会場について感じた事を少し。
今回ベルリンに来たことが初めてで、もちろん”音楽の聖地”とも呼ばれている「ベルリンフィルハーモニー大ホール」に足を踏み入れるのも初めて。映像や録音では何度もその姿を見てきましたが、実際にこのホールに入った時の空気感、静寂と緊張、響き、そして木の温もり。
「音楽を聴くために生まれた建築」とは、まさにこのような空間を言うのだと思いました。
ただ、これはあくまでも聴く側からの話。

僕はピアノ調律師だからかもしれませんが、ホール内に入ってすぐに感じた事があって、それは演奏者にとっては全てを試されるホールというか、一音一音が”空間に問われる”ように音が響いて、演奏者の本質がそのまま浮かび上がってくる、ある意味では恐ろしいホールだなという印象を持ちました。
このホールの住所が「Herbert-von-Karajan-Straße 1, 10785 Berlin」、「カラヤン通り1」というだけありますね。

ドイツ人の聴衆「私たちはいつでも待ってるわ」

さて、ここからは本番当日の話。
演奏についてはこれからの日本ツアーでぜひ生で聴いて頂きたいのでここでは書きません。というわけにはいかないのでちょっとまた別の視点を。
僕は密着動画用の会場内の撮影もしていたので、会場の誰よりも一番後ろのエリアで聴いていたのですが、僕の近くで聴いていたドイツ人達がみんな言っていたのが、「彼の歌い方が好き。あとピアニッシモがとにかく美しい」。また周りにいた人がこのホールに長く通っている人たちばっかりだったみたいで、シューマンのピアノコンチェルトもかなり聴き込んでいて、ニコニコしながら「曲の中で出てくるピアノソロを彼がどう弾くのかを演奏中ずっと楽しみに聴いていたのよ」って言葉を聞いた時には、僕も本当に嬉しくなってしまいました。休憩中に近くに座ってる人達と楽しそうに前半の議論が始まるのはドイツっぽいですね。

休憩中に楽屋に行く前に僕が調律師で彼の友人って事を伝えていたからか、後半が終わった時に「私たちはいつでもここで待ってるわとピアニストに伝えてちょうだい」って言われたので、「これから日本でツアーがあるから僕たちが待ってます」って返したら大笑いしてくれたのも良い思い出です。
音楽がくれた”旅”に感謝

今回のベルリンは調律師としての現地入りではなく、リハーサル・ドレスリハーサル・本番に立ち会う“仲間”としての同行でした。
そんな中で演奏以外で特に心に残ったのが、ホールの響きと拍手の音。
ベルリンフィルハーモニーの響きは、最初にも書いた通り甘やかしのようなものが一切ありません。でも同時に、とても優しくて、誠実な音楽を受け入れてくれる場所でもありました。
そして…本番後に降り注いだ、あの拍手の音。とても温かく、まっすぐで、聴き手の誠意がダイレクトに伝わってくる拍手。そしてアンコール曲の最後の音が鳴り止む前に「schön」、ドイツ語で美しいという言葉が会場のあちらこちらからため息と共に聞こえてきて、あんなに美しいざわめきから生まれた拍手の音を僕は忘れることはないでしょう。
”音楽は人を遠くまで運ぶ”
その先には言葉を越えて人と人とを深く繋げてくれます。
ベルリンは今回の旅の始まり、またこの続きをどこかのホールで。
良い音楽は良い。
読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦