あるピアニストからの言葉

  • 2022年12月24日
  • Blog

こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
横浜を拠点にピアノ調律師やってます♪

※トシブログ毎日投稿中です!

オーストリアにいた時の話です。

ウィーンという街はとても小さくて、歩いていると超有名ピアニストや他の楽器の同じく有名な演奏者、また指揮者などを見掛ける事が稀にあります。

そんなある日、ウィーンであるピアニストさんにばったり会った時に聞いたお話を。この時を境に僕の調律の何かが変わったような気がしています。

音楽をする上で一番大切にされている事は何ですか?

音には命があると私は思っているの。

人間の命が数十年だとすると、その音の寿命は鳴らされてから消えるまで。長くても数秒、本当に儚いものよね。

私が鍵盤を押すことによって生まれたこの小さい命達には、可能な限り意味のある時間を、可能な限り長く幸せに生きていてほしいと願っているし、そして最期まで見届けること。これに全力を尽くすのは私の使命ね。

この考えに辿り着いてから私は偉大な作曲家が残した譜面、音楽の全てに感謝出来るようになったし、喜びから悲しみまで全てを感じるようになったし、またこの子達が聴衆の心の中で生き続けてくれる事を何よりも考えて、1人で練習する時も舞台の上でも常に同じ気持ちでピアノに向かっているわ。

終わりに

このピアニストさんは本当に愛に溢れている人で、街角に咲いている花にも「あら可愛いわね」なんて反応するような方です。もう歳はかなりいっているんですが、小さい子どもと同じような感性も持ち合わせている、あるいは持ち続けていてとてもチャーミングと言ったらいいんでしょうか。人としてとても魅力のある方です。

こういった感性を僕も持ち続けたいです。

読んで頂きましてありがとうございました。
津久井俊彦