ピアノの音への苦情、クレームが来た時に

ピアノをお持ちの方誰もが一度は心配するこの問題。実際に日本で調律師として働いていた時もたくさんの相談がありました。

本記事では、実際にあったクレームをいくつか例として紹介しながら、このピアノの騒音問題の基本的な事(「基本的なルール」と「これをすると苦情がきます」)についてまとめました。主にマンションでの出来事について書きますが戸建てに住んでいる方にも参考になるかと思います。

設置したら実際に苦情が来なくなった防音グッズ、皆さんが使われているグッズについては別記事にまとめています。

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ピアノを持つ上での基本的な考え

ピアノを持つ上で絶対にわかっておかないといけない事。それはピアノの音がたとえどんなに美しい音色でも、人によってはただの騒音でしかないという事です。超有名ピアニストのプライベートリサイタル、チケットは1人20万円だったとしましょう。このチケットが喉から手が出るほど欲しがる人もいれば、チケットが500円だったとしても行きたくないという人がいるのが現実です。

皆さんこの考えは既にお持ちだとは思います。ですが持っていないと騒音問題が大きくなってしまう可能性があるため最初にこれについて書きました。

ではここから具体的にあったクレームの相談例について紹介していきます。

なおここでは、夜遅くに弾いた、窓を開けっぱなしで弾いたなどの簡単に想像できる例は除きます。

実際にあったクレーム例

マンションに9:00~19:00まで弾いていいというルールがあって、年末年始で仕事も休みだったため5時間くらい弾いていたら下の人から苦情がきた。

基本的に年末年始やお盆などは普段仕事で家にいない人もゆっくりされている可能性があります。中にはお酒に酔って怒鳴り込まれたなんて話も聞いたことがありますので、こういった期間の間は弾く時間に気をつけましょう。

マンションで去年までまったく苦情がなかったが、突然エレベーターホールに音出し注意の貼り紙が貼られ、気をつけて弾いていたところ今度は管理人さんから連絡が入った。その後時間などさらに気をつけて弾いていたが、今度は直接訪ねてこられた。幸いとても丁寧な方でお子様が大学受験を控えているとの事だった。学校や塾に行っている曜日と時間を聞いてその間にピアノを弾くようにした。

これは本当にラッキーなパターンです。音の苦情と受験が重なると、その方もピリピリしているのもありかなりの揉め事になる事もあります。このように普特別なイベントが重なりクレームになることも。

楽器可能マンションのはずなのに、なぜか住人の中で楽器演奏禁止という暗黙の了解があり引っ越してからピアノを弾く度にインターホンが鳴る。

これは大型マンションに引っ越された方から受けた相談です。このマンションは大きな敷地内に25棟ほど建っており、夜21時まで子供がみんなバリバリ弾いている棟もあれば、こういったルール上は問題ないはずなのにとても弾きづらい棟もありました。このクレームを受けた方の場合、たまたま定年されている方が多く住んでいる棟でした。この方はサイレント機能の後付けも検討されましたがお子様にどうしても生の音でピアノを弾かせたいという思いやおそらく他にも色々あったのでしょうか。同じ敷地内の別の棟へお引越しされました。たまたまものすごく親切な不動産屋さんだったらしいです。

具体的にあった3つのクレームを紹介しました。

これらの共通点はマンションのルールを守っているにも関わらず苦情がきたという事です。

ルール内で認められていても、特にマンションの場合には共同生活ですので他の人に配慮しながら演奏する必要があります。3つ目は少し理不尽に思いますし、気にしないで弾いたらいいじゃんと思う方もいるかもしれませんが、実際にクレームが来ると生活はとても窮屈なものになりますし気にせず弾くなんてことはなかなか難しいのがリアルです。定年されてゆっくり静かに過ごしたいのに子供のピアノの練習の音が聴こえたら不快に感じる人にも理解は出来ます。

次に楽器演奏可能物件のルールが「周りの方に十分配慮して演奏して頂くようお願いいたします」などのような曖昧な表現の時に守るべき当たり前のルール。それから防音グッズ以外に出来る対策について書いていきます。

基本的ルール

一般的なピアノ演奏可能時間

平日9時~19時、土日は10時~19時です。19時以降は食事をしてゆっくりテレビを見ている方も多いので普段の生活時間よりもピアノの音が聞こえやすくなっています。

窓は閉めて弾く

これは当然です。窓が開いていると時によってはかなり離れたところまでピアノの音が届くことになります。

防音グッズ以外の対策

ピアノの置き場所を考える

なるべく隣の家に面した壁に置かないのをオススメします。アップライトピアノの場合には壁に付けるはずですので、例えば家の廊下に面した壁に付けるなど置き場所を考えましょう。

食事時は避ける

オーストリアだと12~14時は基本的に楽器を弾いてはいけないというルールがあります。家によって食事の時間は違うと思いますが、夕食時の19時以降、土日はお昼ごはんの時間の大体13時前後は弾かない方が無難です。

いつも同じ時間に弾く

これは効果があると聞きます。

普段家にいる方であれば絶対に12時でピタっと止める、

お子さんの場合には17時~18時に弾くといった決まりがあるといいみたいです。確かにちょっとうるさく感じてもいつも決まった時間に終われば、まあよしとしようという人もいるかもしれません。

ご近所付き合い

結局これが1番大切です。

ピアノの音だけではなく騒音に対しての感じ方は本当に人それぞれですし、受験生がいるなどの特別な事情がある時もあります。また知らない人からの騒音と、知っている人からの騒音では許容範囲はかなり変わってきますよね。マンションであれば上下と両隣の住人には一言挨拶をしたり、すれ違ったら「いつもすみません」などとコミュニケーションを普段からとるようにしましょう。

どうしようもない場合。これがリアルです。

これを行ったら元も子もないのですが、結局はどんな人が周りに住んでいるか次第です。

時によってはクレーマーのように苦情を言う側に大きな問題があり超高額な防音室以外に解決法がない場合もあります。

そしてこういう人は揉めた時に、防音グッズなどの対策が何もしていないとそこを追求してきます。こういった理不尽な苦情の時に「可能な限り防音対策しています」と言えるためにも防音グッズはやはり必要なのかもしれません。

さいごに

ピアノを弾く上での大きな心配事、騒音について書いてきました。

音に対するクレームが1度でも来てしまうと、いつもピアノの音に対してストレスを感じるようになってしまいます。またこのクレーム、一度言うと次から言いやすくなり何回も来る傾向にあります。つまり1回目の苦情が来ないようにするのが大切になります。そのためには少しでも防音グッズなどで対策をされるのはもちろん、ご近所の方と少しでもコミュニケーションをとるようにしましょう。

クレームが来てしまった時には、慌てずに何が原因なのか、相手に特別な事情があるのかなども考えて防音グッズなど具体的な対策をしましょう。普段来ている調律師さんが良い相談相手になってくれるはずです。

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 としさん