鍵盤に指が触れてから鍵盤が下り始めるまでの時間

  • 2021年12月1日
  • Blog

こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
日本では横浜を拠点にピアノ調律師やってます♪

たまには調律師っぽい真面目なことを書きます。

タイトルの「鍵盤に指が触れてから鍵盤が下り始めるまでの時間」という言葉、よく考えると違和感あると思います。

なんせ鍵盤に指が触れた瞬間=鍵盤が下り始める瞬間でもあるからです。

「上手なピアニストは鍵盤の上から下までの距離を普通の人より長く感じ取っていて、この距離を感じながらコントロールすることによってたくさんの表現が可能になる」みたいな内容を読んだり聞いたりしたことがあります。

これは100%正解なんですが、オーストリアで仕事をしていた時に更にその先の世界を感じたことがありまして、それは人によってタイトルにもあるように鍵盤に指が触れてから鍵盤が下り始めるまでに「ある時間」が存在しているということです。

正確に言うと”そう見えるだけ”なのかもしれないのですが、パッセージの速い遅いは関係なくこの”時間”があるレベルより上にいけばいくほど長くなっているように感じます。

調律師への要求はケースバイケース過ぎて書くのは難しいのですが、タッチに関して言えば普通ならば鍵盤が底についた時の感触を気にされる方が多いです。ただこの”時間”が存在しているピアニストからの要求は鍵盤が下につくはるか前の感触、または下り始める瞬間の感触といった風に鍵盤の動きで言うところの上の方に関しての要求が多かったりするわけです。

結局は音を聴きながら良いポイントを探っていく、これに尽きるわけですが、時間に制限がある場合にどこにポイントを絞って音とのバランスをとるのかというのは本当にいつも考えています。

自分には技術、経験共に最前線にいる調律師さんと比べると全く足りていません。昨日の自分より確実に良くなること、これを繰り返し続けるのみかなと思っています。

以上、真面目な投稿でした。
読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦